塾なし大学受験に挑戦!〜うちの田舎メソッド〜後伝・高校生編

塾も高校も無い町で、失敗だらけの『うちの田舎メソッド』を駆使して叩き上げた学力。高校から田舎を出て、偏差値70の都会の進学校に入学した息子(旧通称・ポン助)。大都会で寮生活をしながら、大学受験に向けて頑張る日々。見守り、サポート中心となった田舎の母の、子育て後半記録。

20・高1修了

『◯日に修了式だからお昼で終わり。

その日のうちに帰省したいから

夕方にお迎えお願いします。』

『了解だよ。その日私は残業だから

そっちで仕事終わる予定のお父さんが

お迎えに行くからね~。』

『OK♪』

 

私立進学校の特進クラスに入学して

怒涛の1年が修了した息子。

 

巷では連日

合否や卒業を報告するSNSや

親子の写真で溢れている。

 

1年前の私も今頃

私立の入学手続きに追われ

制服合わせに都会まで走り

入寮準備の買い物などに奔走していた。

 

忙し過ぎてSNSどころでは無く

自分のLINEなどの

アイコンや背景の写真を

春バージョンに変えたくて

一度削除してから

決まらずに放置していたら

 

『息子が公立落ちて私立に行くから

親が闇堕ちしてる』

 

なんて噂が

田舎中広まっていて

心配した近い身内から

確認の連絡が来たりした(笑)

 

そう

これが田舎。

 

入学後も

忙しくて楽しくて

なかなか帰省出来ない(しない)息子を

 

『特進繰り上げ合格だから勉強大変で

ついて行けてないんじゃない?』

『休みの日も補習で帰省出来ないのかも』

『毒親から解放されて遊んでるみたい』

『前期の評定4.7とか嘘くさいよね。

親が勝手に盛って書いてるんでしょ?』

『特進はみんな頭良くて評定取れないから

大学受験は推薦使えないんじゃない?』

『親がギリギリしかお金入れてないから

寮のご飯しか食べてないらしいよ』

『お金無くて10kg以上激痩せしたって。

成長期なのに可哀想〜』

 

なんて憶測で

音も葉もない噂が

まことしやかに広まっていたが

人気漫画のセリフを借りれば

『ぶっちゃけ私はどうでもいい』

だった。

 

確かに勉強は大変だし

土曜も普通に学校があり

休日には毎月何かしらの模試や

検定が入って来て

気軽には帰省出来ない。

 

毒親かどうかは

息子がどう育っているか

近くで見ている人だけ

理解してくれたらそれでいい。

 

確かに特進クラスは

全員『勉強するためにここに来た』

メンバーばかりで

日常の中に当たり前に

数時間の勉強時間が存在し

休日ともなれば

10時間勉強は当たり前だ。

そしてそれを楽しくやっている。

 

遊びたい盛りに拷問じゃないかと

心配や同情をする人も居るが

もはやそれが『遊び』と同様の感覚で

息子は勿論

周りも皆普通にやっている。

 

10kg痩せたのは確かだ。

しかし

保育所〜中学校まではスクールバスで

自宅前乗降だったが

通学でかなり歩く様になったので

健康的に痩せている。

 

たくさん歩きながら

学校帰りに

乗り換え駅のショッピングモールで

時折仲の良い男女数人で

ハンバーガーを食べたり

ドーナツを食べたり

共学なので恋愛も日常にある。

たまには皆でご飯を食べに出掛けたり

買い物は勿論

映画やカラオケやボーリングに出掛けたり

都会で普通の高校生活を送っている。

 

そこに毎日の勉強や

毎月の模試やテスト

休日の膨大な勉強時間が存在するだけで

恋愛中の子もお互いの勉強時間には

一切干渉する様な事はせず

むしろ勉強時間を合わせて

終わってから少し話したり

メッセージのやり取りをしたり

休日は一緒に模試を受けた後

映画を見たりご飯を食べたりなど

それぞれの恋愛スタイルがある。

基本的に息子の友達の『彼女』達は

『勉強ばかりで構ってくれない』

なんて言う子は存在せず

むしろ相手が勉強するなら

自分も勉強するといった思考になる。

 

息子も含め周りの全員が

『私(俺)と勉強どっちが大事?』

なんて聞かれたら

『今は勉強』

と即答する様なメンバーなので

そんな質問をして自分の方が大事と

言って欲しい恋愛脳の子は

男女共に最初から論外らしい。

 

『今は恋愛より勉強最優先。今の恋愛対象は

絶対勉強の邪魔しない子。』

 

といつも言っている。

まあ

監視している訳では無いので

恋愛も人並みに経験しながら

息子が元気で楽しく

毎日を過ごしてくれていたら

それでいい。

 

勉強する事に嫌悪感が無く

同じ視点や同じレベルで対等に語り

マウントを取る奴なんて誰も居なくて

休日も一緒に勉強出来る

個性豊かな大勢の友達と

最高に楽しく過ごしている。

 

そんな世界で

部活も趣味を兼ねて楽しみながら

時折ご褒美を頂いたり

本業でも自分の夢に向かって

確実に進んでいる。

 

 

帰省日の夜には

息子本人が到着する前に

成績表が配信されて来た。

 

大学受験を見据えて

本人の意思や希望だったり

同じ定期テストでも

普通クラスより難易度が高く設定された

特進だけのテストでも高得点は必須。

偏差値70超の世界で尚且つ

高い評定維持は勿論

高校範囲を全て網羅する級の検定取得など

必修の基準成績を全て満たせず

特進を去る人も存在すると聞いた。

逆に

普通クラスから

特進に上がってくる人も。

その人数を聞いて驚いたが

まさに下剋上の世界。

入れ替わりの決戦が

毎年学年末に行われている。

 

もしかしたら息子も

そうだったのかも知れないし

来年はそうなるかも知れない。

明日は我が身なので

一切の油断や妥協は禁物だ。

 

常にクラスの上位1/3以内に居なければ

安心出来ないと言っていた意味がわかる。

 

心配性でいつも予定より早く行動したり

緻密な勉強計画を立てるが

基本的には前向きな陽キャ息子。

 

『ただいまー!』

『おかえり〜1年お疲れ様。通知表見たよ〜

頑張ったね!!』

『〇〇がオール5で、〇〇が4.9。

やっぱ皆すげーわ。尊敬しか無い。

俺ももっと頑張らなきゃ〜!』

『頑張れ頑張れ♪明日小学校の卒業式だよ。

〇〇君(従弟)も中学生か〜早いね〜』

『やべ。俺、小学校の校歌歌うわ!!』

『あはは。何でさ!』

 

帰省するなり

荷物を運びながら

全力で小学校の校歌を熱唱する息子。

 

『(超高音で)おにいさん、おねえさん、

ご卒業おめでとうございます!』

『在校生の呼びかけまでやるんかい(笑)』

『おめでとうございます!!』

『ギャハハハ』

 

玄関に一歩足を踏み入れた瞬間から

安定の息子ワールドが炸裂し

私も主人も爆笑していた。

 

地元からは1人しか居ない

都会の進学校で

数え切れない程の新しい仲間達と出会い

息子は伸び伸びと楽しく過ごしている。

 

もう地元の誰とも比較されず

誰にも妬まれたり嫌味を言われたり

人格否定レベルに批判されたり

馬鹿にされたり笑われたりしない。

 

世帯収入を把握している職業の人間達が

親の職業や家庭環境を見下したり

『あの程度の年収で私立は厳しいだろ』

なんて酒の席で笑いながら

蔑まれたりしている事は知っている。

我が子と自分の自尊心の為に

息子を排除しようとして

たくさん傷付けてきた大人達だ。

 

もう

そんな奴らと関わる事なんてない。

 

『ここに居たら

息子が潰されてしまう』

 

そんな危機感を覚えたのは小学校低学年。

親の直感は正しかった。

 

息子にとって田舎は

楽しいけど窮屈で

自分らしく伸び伸び出来なかった。

頑張って入賞したり

検定に合格したり

地元の新聞に掲載されたりすると

必ず自分の子や孫と比較して

妬みを言って来る人が居たり

しまいには

『同じ子ばかり目立ったり入賞するのは

平等じゃない。1回入賞した子は次の

受賞候補から排除しろ。』

『教室を辞めた子が何度も入賞したら

頑張って継続している子達のやる気が

下がるから出品させないで下さい。』

などとクレームを入れたり

信じられない事がまかり通る世界で

理不尽極まり無い事が

たくさんあった。

 

本当に

早く都会に出してあげたかった。

 

とても恵まれた環境の中で

息子は日々成長している。

夢に向かって

大人へと向かって。

明るく楽しく

自分を抑圧するものは

何一つ無い世界で。

無限の可能性を信じて

これからも突き進めばいい。

 

 

『俺の家だー!俺の部屋だー!』

『あはは。荷物全部運んだ?』

『OK〜』

『じゃ、ご飯にしよっか♪』

 

笑って元気に1年を終えられるだけで

私達家族は幸せだ。

 

進級おめでとう。

また1年

全力で走り切ろうか。