小学校時代の後半
町に高校が無いので
中学受験もしくは高校受験後
都会の進学校で学ぶ事を決意した息子。
当時の将来やりたい職業や
そのために行きたい大学など
全てを網羅するにはやはり
都会に出て学ばなければならず
それなら少しでも早い方が良いと
親子でしっかり話し合って決めた。
その後息子は
都会の学校を目指し
そして進学後には
ハイスピード&ハイレベルな授業にも
スムーズについて行ける様に
果てしない田舎の山奥の自宅で
1人楽しく
本格的な学習を開始していた。
学習ノートについては
各学校指定の物はあったが
マス目や行間隔などの規定を満たせば
ある程度自由だったので
好きな物を使用して来た。
小学生の頃に
自宅学習で使用して来たのは
大型のA4判方眼ノートで
息子のお気に入りを
科目別に色分けして使用していた。
最初は
問題集のコピープリントを
大量にやっていたが
学校では自主学習ノートを
毎日提出しなければならず
そのプリントをノートに貼って提出。
小学校中学年になると何故か
ノートにプリントを貼るのが禁止され
文章題などの問題文まで
直接ノートに書かねばならず
非効率的な学習スタイルを強要された。
以降息子の家庭学習は
とりあえず学校に提出するために
自主学習ノートに日替わりで
漢字1ページ計算1ページに固定して
毎日の学習のウォーミングアップとして
帰宅後直ぐに終わらせていた。
『家庭学習量の割に優秀ですね。』
そう言っていた当時の担任の先生には
息子が中学受験に挑戦すると決めた事は
直ぐには言わなかった。
どう考えても
親が無理矢理やらせていると思われ
理解して貰えないと感じていたからだ。
中学受験勉強は
特殊な学習内容だったので
全国展開している進学塾の
オンライン生に合格し
土台となる基礎的な内容を学んだ。
基礎と言っても
普通の中学校で学ぶ内容まで網羅し
超先取り学習のスタイルだった。
そして
小学校の先生の中には
先取り学習や中学受験勉強をやらせて
子供に負荷をかける親を
良く思わない方も確実に存在する。
毎日の学習も
提出しているノートのページ数より
プリントや別のテキストで
軽くその10倍はやっている事を
暫く学校には言わなかった。
中学受験に挑戦すると
担任に言った後は
案の定
教育虐待疑惑をかけられ
息子は学校で1人先生に呼び出され
『勉強が辛いなら、先生や校長先生が
お母さんやお父さんに言ってあげるからね。』
と
親には内密で
言われたらしい。
当の息子は
『僕が勉強したいからやっています。
無理矢理やらされたりはしていません。』
と
はっきり言ったとの事。
まあ
親にそう言いなさいと言われていると
思われていたのだろうが
それ以降の干渉は特に無かった。
やはり田舎だけに
中学受験の勉強量は
先生にまでも
常軌を逸していると思われていたが
息子本人は
毎日楽しく一生懸命取り組んでいた。
幸い
高学年の先生は都会育ちで
中学受験やその勉強法にも理解があり
とても応援して下さった。
6年生の時には
中学生に向けて
学校で家庭学習定着のための
自主学習練習時間があり
好きな問題集を持参して
各自自習するといった時間が設けられた。
この時息子は
大喜びで
中学受験の計算テキストと
愛用の学習タイマーを持参し
猛烈にやっていたらしく
担任の先生はじめ
視察にやって来た校長先生も教頭先生も
テキストの難易度に驚愕していたらしい。
そして
残念な結果に終わった時には
長年仲良くしながらも
息子を疎ましく思っていた特定の子に
執拗にいじられ笑われ
馬鹿にされたりもしたが
多くの仲間達が息子を守り寄り添い
先生や息子に関わる指導者達も皆
挑戦を全力で称えて励まして下さった。
周りの温かい支えもあり
腐らずに勉強を継続した息子。
中学からは叶わなかったが
高校から都会の進学校に行くと決め
毎日朝日と共に机に向かっていた。
そんな息子の
物言わずとも強力な相棒
中学生時代のノートは
学校指定の行数等は多少あったが
ほぼ自由となり
市販の好きな物を使用していた。
自主学習ノートの提出は無くなったが
代わりにワークやレポートの提出があり
頑張って仕上げていた。
学校ワークは
直接書き込んだり
定期的に先生に提出するため
新年度の授業が始まる前に
全てコピーして
原本プリントを作成しておき
それをコピーして周回していた。
最低でも3周以上して
出題パターンを暗記するくらいやり込み
学校の定期テストでは9割を超えていた。
自宅学習では中学1年から
都会の進学校に多くの合格者を輩出する
有名進学塾のオンライン生となり
月1の担当講師とのZoom面談など
手厚いサポートを受けながら
再び1人で頑張っていた。
中学受験勉強とは別の進学塾だったが
オンライン生は同じく
基礎的なコースやテストしか受講出来ず
確認テストも毎回満点だったので
担当講師が上に掛け合い
息子は難関コースのテストも
受けられるようにして下さった。
高校受験勉強が本格的になると
学校ワークだけでは
受験レベルの学力テストや
外部模試には太刀打ち出来なくなったので
中学内容全範囲を網羅する
大量演習型の問題集や塾用テキスト
過去問集を使用していた。
この辺りから
息子の自宅学習用のノートは
分厚い100枚ノートに変わった。
持ち歩くには重いが自宅用なのでOK
過去の学習を振り返る時に
何冊も遡って探さずに済むので
今でも好んで使用している。
そして
都会の進学校で学ぶ夢が叶い
高校からはルーズリーフも併用。
模試の過去問や解き直しなど
テスト形式の演習時に
解答用紙代わりに使用しているとの事。
『模試終わったよ〜♪友達とご飯食べて
買い物してから寮に帰ります。』
『お疲れ様。気を付けてね〜』
寮の自分の部屋や
友達の部屋や食堂の他に
始発の電車で行く早朝の教室
学校の図書館や校内のスペース
大学の図書館やカフェ
商業ビルのフリースペース等
無料で自由に使用出来る場所で
勉強する事もあるらしい。
そんな生活は多分
近所にヒグマが出没する田舎に居ては
叶わなかっただろう。
幼い頃に自分で決めて
それを実現すべく
諦めずに努力を継続して来た結果
自ら手に入れたものだ。
これからさらに
大きな夢を手にするため
今まで築いた土台の上に
沢山の知識を積み上げて行く。
競い合うライバルは
地元の校内から地区別になり
都道府県別になり
今は全国の同世代との勝負となり
全国模試は年上の浪人生なども居るだろう。
大学受験は厳しい戦いになるのは
最初から覚悟している
そのために都会に出て来た。
親の年収も生活水準も全て桁違いな
挫折とは無縁の秀才達の世界に
田舎者全開で飛び込んで行った息子。
萎縮するどころかその違いを面白がり
たくさんの友達と共に
毎日全力で楽しんでいる。
『大丈夫。俺、戦えてるよ♪』
息子の力強い言葉を思い出しながら
寮に送る荷物の封をした。
『頑張れ。』
そう言いながら
荷物の入った段ボールを持ち
ふと顔を上げると
いつか
息子にもらったメッセージが目に映り
少し
口元が緩んだ。





































